*食卓の化学*

しらすが大好きで、先日はしらすご飯を作りました。このしらすはエビが多めに入っているというものを買い求めました。
私はしらすご飯の時には黒米を混ぜたご飯にします。黒米は炊く前に多めの水につけてレンジで加熱してから白米と合わせて炊くことでモチモチとした美味しいごはんに仕上がります。ごはんを器に盛って刻んだ大葉をたっぷり、その上にしらすを大盛りにして刻んだ茗荷を添えました。

写真のごはん、炊き立てはもっと色が黒っぽい紫色でした。炊きあがったご飯は柚子酢のすし酢で軽めの酢飯にしています。そうすると、こんな透明感のあるピンク色のごはんに変わります。

黒米の色は外側の皮の部分(ふつうの白米ではぬかとして取り除かれる部分)にポリフェノールの一種であるアントシア二ンという色素があつまったもので、黒紫色をしています。アントシア二ンはpHの変化で色変わりをすることが知られています。中性で紫色のアントシアニンは酸性で赤、アルカリ性で青に色変わりをするため、今回は酸性の酢によってきれいなピンク色のごはんに変わったのですね。

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アントシアニンがpHによって色が変わるのは分子の構造がほんの少し変わることで、吸収する光の波長が変わるためです。水素が一つついた(酸性)り、水素が一つはずれた(アルカリ性)は目に見えませんが、色にははっきり表れるというのは少し奇妙で面白い感じがします。

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