*熱帯の海に降る雪・遠い星の氷の下の海*

この間ポストした、水底のマイクロメモリでは、殻をもつ微生物が海底に積もって化石になることを、そして、その化石には当時の地球の気候が記録されているというお話をしました。その時には白亜紀の石灰岩の微化石のスケッチを載せたのですが、それとは別の電子顕微鏡の写真を見つけました。

ここに写っている微化石は、今はもう絶滅した植物プランクトンの一種ですが、まるで雪の結晶のようですね。熱帯の深海の今から200万年以上前の時代の堆積物に沢山含まれているそうです。プランクトンの死骸などが集まって目に見える大きさになったもの、海中を沈降する白い粒子の事をマリンスノーといいます。遠い昔に暖かい海の底に降り積もったマリンスノーが、本当に小さな小さな雪の結晶の形をしていたなんて不思議ですね。

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微化石の構造の緻密な美しさを見ると、現代のような技術を得るまで、人間には見ることがでなかったもの、遠い昔に生きていて、深い海の底に積もった、とても小さな生き物が、なぜ私たちが美しいと感じる形を持っていたのだろうと不思議に思います。もしかしたら見る機会がなかったかもしれないのに。
そして、話は飛躍しますが、宇宙探査によって地球から遠く離れた土星の衛星エンケラドゥスは厚い氷の地下に海が存在すると推定されています。生命の存在があるかもしれない衛星です。今の私たちには直接見ることのできないエンケラドゥスの地下海ですが、そこにもし小さな生命がいるとしたら、やっぱりとても美しい構造を持っているのではないのかな――となんとなく想像しています。

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