*きほんの”気”:気象と気候③*

気候とは

 気象が時間によって変化する、大気の状態、現象であるのに対し、気候とは、それをある大きさを持つ場所=地域で長い期間平均したものです。気候は一年を通して雨が多いとか、冬は風が強く寒いなど、その地域の気象の特徴が見えるものです。気候によって代表される地域の大きさは、特徴となる気象現象の大きさやそのような気象現象を作り出すのに影響を与える地形の大きさなどによってさまざまです。

 このことをわかりやすく考えるために、学校の地理の授業で学んだり、ニュースなどで耳にしたりしたことがある“○○気候”と名前がつくものについて、それが示す地域の大きさをあげてみましょう。

 “温帯気候”には、四季の変化があり、適量の雨が降るという特徴を持つ、地球上の27%くらいの、世界地図で見渡すような広い地域が含まれます。“瀬戸内式気候”は、瀬戸内海に面した温暖で晴れの日が多いといった特徴をもつ、日本地図の西側の一部に収まる大きさです。大都市が、周辺の地域より気温が高くなる、ヒートアイランドと呼ばれることもある“都市気候“は、市街図の範囲に収まる広さです。

 ○○気候で表される地域の大きさはこのように大小ありますが、平均をとる期間については目安があって、気象関連の国際協力を進める組織である世界気象機関WMOは、気温や降水量などの30年間の平均値をその場所の気候を示すものとしています。