*都市化や気候変動と生物*

――人類が変えた環境の中で、何が起きているのか。

発売中の『日経サイエンス』3月号では、都市化や気候変動が生物に及ぼす影響についての記事を担当しました。

気候変動や都市化といった言葉は、ニュースの中ではよく耳にしますし、

それが具体的に生物の暮らしや行動をどう変えているのかについても深刻なものを聞いたことがあるかもしれません。

記事でも、気温の上昇によって繁殖時期が早まったものの、
その結果として雛鳥が寒波に遭遇するリスクが高まっている鳥の例や、
夜の明るさが増したことで、
ホタルが求愛のための発光行動をやめてしまった例などが紹介されています。

さらに記事では、
都市部に暮らすうちに、農村地域に暮らすグループよりも高い熱耐性を示すようになったトカゲの集団についても取り上げています。
この集団では、生理的な特性の違いだけでなく、遺伝的にも差異が見られると考えられる点が注目されています。

人間が意図せず変えてしまった環境に対して、生物が適応しようとしている例です。

人類は、気候や土地利用、夜の明るさに至るまで、
地球環境に強い影響を及ぼす存在になりました。
そうした環境の変化が、生物にとってどのような選択圧となっているのか。
そして、その結果として、どのような変化が起きているのかを美しい写真とともに紹介しています。

進化というと、非常に長い時間をかけて起こる現象のように感じられがちですが、
地球史を振り返ると、過去の大絶滅の時代には、
環境の急変に伴って進化のスピードが変化したと考えられる例も知られています。

進化を、はるか遠い過去の出来事としてではなく、
私たちの生きている時間と地続きの現象として考える。


そんな視点を与えてくれる記事だと思います。

公式サイトでの記事の紹介はこちらです。