*再会/再開*

 先週北大に夏季集中講義に来ている研究者が研究内容を紹介するセミナーに参加して、久しぶりに研究者の世界の雰囲気を感じられて幸せでした。
 研究を紹介された方は、九大の教授で私と同じ年代(少し下)です。若いころ同じ海域(日本海)をしていたことがあって、修士論文を献本していただいた事がありました。それから少しの間、研究大会で会った時に研究について話したことがあり、それから数年してからこの夏まで、私はずっと海洋学の研究者コミュニティからは離れていたので大変久しぶりという感じでした。
 お話しは海洋のエネルギー利用、中でも私も注目していた海洋温度差発電についてでした。以前、海洋温度差発電について雑誌に書き、それがが高校入試の裁量問題になったことがあります。
 紹介された研究は、海洋熱エネルギーの利用が環境に与える影響について、海洋物理学的によく考えられた方法で、特に海水交換のタイムスケールについての視点が良い研究でした。――と、書くと何年も研究から離れているのに偉そうかもしれませんが、コミュニティとの交流をしていなかっただけで、論文はずっと読んでいるので、まぁお許しを(^^ゞ
 研究紹介が終わった後に、院生ではハルさんが、あとは先生たちがいくつか質問されて、最後に私も質問させてもらいました。今のサイエンスライターという仕事はその分野を深く掘り下げる力はないかもしれないけれど周辺状況を見渡せるようなところがあって、その質問と回答で場内が笑いに包まれる形で会が終わりました。


 帰り道、私が男性だったらきっとずっと研究を続けていたことだろうなと、ふと思って胸がわずかにちりちりしたところはありました。まぁでも、あきらめのよいところが私のよいところです。そこに拘泥しても仕方がありません。今またそこで時間を共有できたことを幸せに思って、研究をしてこなかった私だって大したものだと思わなくてはとも思っています。そのおかげで得られたものに感謝して、そしてもっと成長したいと思います。